2.2 R studio デスクトップ版の利用
R studioは、Rを利用するためのアプリケーションである。R単体で使うよりも便利な機能が搭載されており、R studioを使うことでプログラミング作業を容易にすることが可能になる。最も大きな特徴としては、Rでの操作、分析を実行するための「コンソール画面」と、実行したい操作、分析のコードを記述しておく「Rスクリプト」と呼ばれるテキストファイルを一つの画面内に同時に表示できることである。そのため、Rに実行してほしいコマンドをテキストデータのように記述、修正し書き溜めておける一方で、その実行もスムーズに行え、結果も同画面内で確認することができる。
R studio はR をより便利に使うためのツールであるため、利用者はまず、R と R studioの両方をインストールする必要がある。Rは以下のサイト(https://ftp.yz.yamagata-u.ac.jp/pub/cran/)等からダウンロードし、インストールすることが可能である。当該ウェブサイトにアクセスすると、Windows用、Mac用、Linux用のソフトウェアが選択できるため、ユーザー自身の環境に適したバージョンを選択してほしい。Windowsユーザーの場合は、“install R for the first time” と書かれているリンクから自身の適した条件を選択し、実行ファイルをダウンロードしてほしい。Macユーザーの場合には、自身の使っているMacのバージョンに適したパッケージファイルを選択し、ダウンロードしてほしい。インストーラーやパッケージファイルをダウンロードした後はその後のソフトウェアインストール手順指示に従い、Rをインストールすること。
R studio のインストールは、以下のリンクから 行うことができる(https://posit.co/download/rstudio-desktop/)。なお下図は、MacOSを使ったデバイスの場合のインストール画面を表している。RStudioのインストールにあたっては、このリンクにアクセスし、自身の環境に適したRStudio Desktop ソフトウェアの実行ファイルやディスクイメージファイルをダウンロードしてほしい。なお、特別な事情がない限り、無料版で十分分析が可能である。そしてファイルをダウンロードしたら、それを開くことで表示されるインストーラーの手順に従い、RStudioをダウンロードしてほしい。
なお、WindowsでのRおよびR studioのインストールには注意が必要である。特に、Rを用いる講義を受け持っていると、Windowsユーザーを中心に新たなパッケージのインストールができないなどのトラブルが頻発する。これらの問題点を調べると、(1) 文字コードによる文字化けの問題、(2) ユーザーアカウントのホームディレクトリ名に日本語(全角)が利用されていること、(3) Rのライブラリが(勝手に) One drive 上に作成されることが原因であることが多かった。これに対して、 R の version 4.20以降からは、UTF-8の文字コードに対応したり、デフォルトでのRのインストール場所の変更(One drive上でない)が行われたりと、問題の改善が図られている。また、自身のホームディレクトリの名前が全角文字であるときは、ホームディレクトリ以外のローカルディレクトリを設定したほうが良い。この点に関する対応には、三重大学の奥村先生によって以下のウェブサイトに説明が記載されているので、詳しくはそちらを参照してほしい(https://okumuralab.org/~okumura/stat/R-win.html)。