補足(いくつかの確率分布の関係性)
統計的な分析の際によく用いられる確率分布として、正規分布、カイ二乗分布、t分布、F分布間の関係性について簡単に紹介する。なお、各分布の確率密度関数などは記載しないため、関心のある読者は参考文献を参照してほしい。
正規分布
正規分布は、様々な分布の基準として用いられる重要な分布である。期待値を中心に左右対称であり「ベルカーブ」と言われる形状を持つ。また、平均0、分散1の正規分布は特に標準正規分布と言われ、正規母集団からの無作為標本の標本平均等の分布を特定する際などに用いられる。
カイ二乗分布
標準正規分布からの無作為標本の二乗和はカイ二乗分布に従う。カイ二乗分布は、正規母集団からの無作為標本の不偏標本分散の分布を特定する際などに用いられる。
t分布
標準正規分布とカイ二乗分布の比はt分布に従う。t分布は、正規母集団からの無作為標本による標本平均と不偏標本分散の比の分布を特定する際などに用いられる。
F分布
カイ二乗分布の比はF分布に従う。F分布は、異なる正規母集団からの無作為標本の不偏標本分散の比の分布を特定する際などに用いられる。