2.3 (補足)デスクトップ版の利用とプロジェクト機能
R および R studio のインストールが完了したら、アプリケーションを起動する。R studio の利用方法については基本的に Posit cloudの説明と同様である。ただし、デスクトップ版で R studio を利用する際には、「プロジェクト」機能を使うことを勧める。プロジェクトは、互いに関連し合ったファイルの集まりを指す。Rを通じた分析では、たくさんのファイルを扱うことになる。例えば、複数のRスクリプトやデータセット、加工したデータセットの保存、分析結果、出力された図表などがある。これらのファイルを手作業で一括管理することは困難である。むしろそのような管理作業に認知的な負担を費やしたくないというのが分析者の本音である。プロジェクト機能を使うことにより、作業ディレクトリとファイルの保存先をひとまとまりに指定できるため、ファイル管理の手間がなくなる。
新しいプロジェクトを作成するシンプルな方法が、Fileから作成する方法である。具体的には、File -> New Project -> New Directory -> Create New Project ->Directory nameの指定 -> プロジェクトの設置場所(ディレクト)の指定、という手順で作成する。
R をデスクトップ上で利用する際には、基本的には自身のPC内にある(もしくはディレクトリにアクセス可能である)データの所在地(ディレクトリ)を特定することでデータの操作や分析を行う。これに対してプロジェクト機能を利用することでそのプロジェクトを実行している際に参照するワーキングディレクトリを固定することが可能になる。この機能によってR studioを通じたデータ処理や分析作業が容易になり、不要なトラブルを避けることが可能になるため、デスクトップでR studioを使う場合には可能な限りプロジェクト機能を利用してほしい。